発刊ハッカン主旨シュシ
昨今、オンラインジャーナルが乱立し、とても査読システムが機能しているとはいいがたいものも多々見られる。また法外な出版費を請求する悪質なプレデタージャーナルと呼ばれるものも多い。このような状況が生み出されるようになった背景には、迅速に出版したいという著者の要望と、本来は学術雑誌を扱うべきではないビジネス目的の出版社側の利害が一致していることにある。日本の学術雑誌は学会が出版しているものがほとんどであり、学会に属していないと論文投稿できないものも多い。また、出版費用も安価とはいいがたく、出版費用が担保されている機関に属する研究者以外にはハードルが高いのが現状である。さらに、昨今は中高生による学会発表も多くなり、論文化して残すとともに広く情報発信すべきと思われる秀逸な成果も見られる。

2019年度に発刊したオンラインジャーナルである「水生動物」は、データとその解析そして論旨に齟齬が無いかぎり掲載することを基本原則とし、論文投稿者の制限を設けず、また出版費用もできるだけ低くすることによって、収集したデータの論文化とアーカイブ化を促進する。せっかく収集したデータを埋没させることなく論文化する機会を広げ、広く投稿者を募るものである。